無防備なまま交渉に臨んでも、交渉術に長けた中国人に勝てるわけがありません。



  

中国ビジネスでの交渉の基本姿勢

そもそも交渉とは?

交渉は『闘い』であり、『駆け引き』です。有利な結果を勝ち取るため、主張すべきことは主張し、時には譲歩し、時には激しく攻防して主張をぶつけ合います。

 

しかし、交渉に臨む際、日本人と中国人とでは決定的な違いがあります。

 

中国人にとって有利な結果を導き出すための進め方は、日本的ビジネスの常識が通じないことがあります。

 

中国人は結果を勝ち取るため、あの手この手で主張を繰り返します。

 

中国人同士の交渉は険しい表情で激論を交わし合い、まるでケンカのようです。

 

トランプゲームのように、『捨て札』『見せ札』『切り札』を駆使して勝利を目指します。

 

主張すべきことは遠慮なく主張し、相手の主張にはまず反論し、自分の主張を繰り返します。反論に反論を繰り返し、論点を絞り込んで議論を深めていくのが中国人の進め方です。

 

目的を勝ち取るためには手段を選びません。まるで『交渉』というゲームを楽しんでいるかのような態度です。

 

しかし、交渉は相手を言い負かしたり、わがままを言って口先だけで相手を丸め込めたりすることではありません。

 

『駆け引き』というと、騙し合いや相手を欺くことといったマイナスイメージがありますが、決してそうではなく、主張を出し合って合意点を1つひとつ探し出していくことです。

 

日本人は『まとめるための交渉』

日本人のビジネス交渉は、「まとめるため」という基本姿勢で臨みます。

 

主張を戦わせることより『協調』を重視し、妥協点を探るために『調整』し、落としどころ(合意点)を見つけ出します。

 

できるだけ争いを避け、落としどころを見つけようという姿勢で交渉に臨むのです。

 

主張すべき時も、より有利な結果を目指す時も、言葉にして主張しなくても相手の立場に配慮し、双方の共通理解の上で合意点を見つけ出そうとする特徴があります。

 

『阿吽の呼吸』や『空気を読む』ことを大切にします。「そこをなんとか」「無理を承知で」というように、理に適わないことを感情に訴えることもあります。

 

もし、交渉がまとまらない場合、『継続協議』『保留』『議論の先送り』というように、結論を避け、事を荒立てず、水面下で妥協点を探す調整方法が取られます。

 

交渉の場では敢えて明確にせず、場を変えて調整、協調、妥協点の模索に持ち込むのです。

 

中国人は『結果を勝ち取るための交渉』

一方、中国人にとって交渉とは、有利な結果を導き出すために主張をぶつけ合うことで、『勝つ』ために行うものです。

 

そのため徹底的に主張をぶつけ合います。

 

時にはダメ元、ゴネ得の主張を繰り返したり、議論を蒸し返したり、論点をすり替えたり、時には交換条件を駆け引きに使って、有利な条件を勝ち取ろうとします。

 

自らの主張の正当性を徹底的にアピールするのです。反論に反論を繰り返し、論点を絞り込み、自分たちにとって有利なポイントに議論を誘導していきます。

 

ケンカをするような険しい表情で主張し、知恵を絞り、知略を尽くして最終的に有利な結果を勝ち取るのが、中国人の『交渉』です。時には相手の弱点を探し出してウィークポイントを攻めたり、調整してきた『妥協案』を翻してさらに主張を試みたりと、あの手この手で揺さぶってくるのです。

 

しかし、これは決してまとまりそうな交渉を壊すことが目的ではありません。時間を引き延ばせばいいわけでもありません。

 

『結果を勝ち取るための交渉』を意識して交渉に臨んでみて下さい。少しだけ交渉に臨む際の基本姿勢を変えるのです。

 

【ポイント】
日本人の交渉
  • 協調、調整、妥協点探しにより、論争より落としどころを探す
  • 相手の立場に配慮し、双方の共通理解の上に主張を展開する
  • 『以心伝心』『阿吽の呼吸』『空気を読む』ことを求められる
中国人の交渉
  • 主張、反論、議論により、自分たちにとって有利な結果を導き出す
  • 主張すべきところは徹底的に主張し、目標の結果を勝ち取る
  • 少しでもベストの結果を導き出すため、知略を尽くして交渉に臨む

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